鮮やかな赤色の花を咲かせる観葉植物は、インテリアのアクセントとして人気です。緑の葉とのコントラストが美しく、部屋に華やかさをプラスしてくれます。
しかし、一口に赤い花といっても「どんな種類がある?」「育て方は難しい?」と疑問を抱えている方はいるのではないでしょうか。そこで今回は、赤い花の観葉植物の種類や育て方のポイントなどを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
赤い花を持つ観葉植物の代表格はアンスリウム
赤い花が咲く観葉植物として、イメージされることが多いのがアンスリウムです。熱帯アメリカ原産のサトイモ科アンスリウム属に分類される多年草であり、高温多湿を好む一方で寒さに弱いという性質があります。
アンスリウムの鮮やかな赤い花に見える部分は、実は花ではなく「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる葉が変化したものです。本当の花は、棒状の部分の「肉穂花序(にくすいかじょ)」と呼ばれる部分にあります。
アンスリウムは光沢のあるハート型の仏炎苞が美しく、赤色以外にもピンク色や白色、紫色などの品種があります。花持ちも良く、適切な環境で育てれば1ヶ月以上楽しめるため、赤色の観葉植物を長く楽しみたいと考える方におすすめです。
アンスリウムの花言葉
アンスリウムの花言葉は「煩悩」「恋にもだえる心」などです。ハート型の赤い仏炎苞が心臓を連想させることから、このような情熱的な花言葉がつけられたといわれています。
また、アンスリウムには色別でも花言葉があり、赤色は「情熱」、ピンク色は「飾らない美しさ」、白色は「熱心」などを持っています。どの花言葉も前向きな意味合いを持っており、お祝いシーンの贈り物として人気があります。
赤い花を持つ観葉植物アンスリウムの育て方
ここでは、アンスリウムの主な育て方について具体的に解説します。
押さえておきたいポイントなども併せて紹介するので、アンスリウムを育てる際に役立ててください。
日当たり
アンスリウムは耐陰性があるため、どのような場所でも育てられますが、より元気に育てたいと考える場合は明るい場所で育てるのがおすすめです。ただし、直射日光には弱いため、レースカーテンなどで遮光するといった工夫が必要です。
また、アンスリウムは寒さに弱い一方で、暑さには比較的強い性質があります。冬は10℃以上の暖かい室内で管理し、夏は直射日光を避けて風通しの良い明るい日陰に置くと良いでしょう。
アンスリウムを育てる際は急激な環境変化は避け、1年を通して安定した環境を保つことが大切です。
水やり
アンスリウムの水やりは、土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。生育期の春から秋は、葉や茎から水分を蒸発させる力が高い日中に水やりをするのが理想的です。
気温が下がる夕方以降の水やりは、根腐れの原因となるので避けてください。ただし、真夏日で土が乾ききっている場合は夕方に少量の水やりをしても構いません。
冬は、土が乾いてから2~3日後に水やりを行い、葉が乾燥するのを防ぐために毎日霧吹きで葉水を与えます。土の状態をよく観察し、過湿に注意することでアンスリウムを健やかに育てることができます。
肥料
アンスリウムの生育期である春から秋にかけて、月に1~2回程度液体肥料を施しましょう。肥料を与えることでより多くの花を咲かせ、鮮やかな葉の色を保つことができます。ただし、濃すぎる肥料は根を傷める原因となるため、必ず規定量を薄めて使用してください。
冬は生育が緩やかになるため、肥料は必要ありません。その時期に肥料を与えてしまうと肥料焼けを起こし、根を傷めてしまう可能性があるので注意しましょう。
花が咲いている時期は養分が多く必要となるため、忘れずに肥料を与えるのが大切です。
アンスリウム以外の赤い花の観葉植物
アンスリウム以外の赤い花の観葉植物として、以下の4種類が挙げられます。
- エピスシア
- グズマニア
- シャコバサボテン
- ドラセナ・コンシンネ
ここでは、それぞれの特徴などを詳しく解説します。
エピスシア
アンスリウム以外の赤い花を咲かせる観葉植物として、エピスシアもおすすめです。エピスシアは、イワタバコ科の多年草であり、熱帯アメリカ原産の植物です。
和名では「ベニギリソウ」と呼ばれており、鮮やかな赤い花に加えて葉脈模様が美しいのも特徴です。品種によって光沢のある葉やビロード状の葉などがあり、花の色も黄色やピンク色といったさまざまなバリエーションがあります。
また、エピスシアの葉は個性的な見た目をしているため、花が咲き終わったあともインテリアとして楽しむことが可能です。
グズマニア
グズマニアも、鮮やかな赤い花を咲かせる観葉植物として注目を集めています。熱帯アメリカ原産のパイナップル科の植物であり、エキゾチックな雰囲気が特徴です。
グズマニアもアンスリウム同様、花が赤いのではなく、「花苞(かほう)」と呼ばれる葉が赤く染まっており、花と間違われるほど美しい見た目をしています。赤色以外にも、オレンジ色やピンク色といった豊富な色合いがあり、種類によって異なる雰囲気を堪能できます。
グズマニアには約130種類の品種があり、大型サイズや中型サイズなど幅広く存在するため、置き場所に合わせて選ぶことが可能です。
シャコバサボテン
赤い花を咲かせる観葉植物として、シャコバサボテンも人気があります。シャコバサボテンは、ブラジル原産のサボテン科に属する多肉植物です。その名前の由来は、茎の節がシャコの体に似ていることからつけられたといわれています。
11月から1月にかけて赤色やピンク色、白色などの美しい花を咲かせ、クリスマスシーズンを彩る植物として人気があります。
ただし、シャコバサボテンは短日植物であるため、1日の日照時間を12時間以内になるように調整する必要があります。夜間は段ボールなどを活用して暗室状態をつくり、徹底した管理が欠かせません。日照時間を調整しなければならないので育成には少し手間がかかりますが、適切に管理することで開花時期にきれいな花を咲かせてくれるようになるでしょう。
ドラセナ・コンシンネ
ドラセナ・コンシンネは赤い花を咲かせる種類ではありませんが、非常に人気の高い観葉植物です。シャープな葉が特徴的であり、赤紫色の個性的な葉はエキゾチックな雰囲気を演出するため、インテリアのアクセントとしてよく選ばれています。
繊細に見える葉とは対照的に丈夫な幹を持っており、乾燥にも強い性質があります。そのため、初心者の方にも育てやすいでしょう。
ただし、ドラセナ・コンシンネは比較的寒さに弱いため、冬場は窓際を避けて室内で管理し、10℃以上を保ってください。
まとめ
鮮やかな赤い花を咲かせる観葉植物は、インテリアのアクセントとしてよく活用されています。赤い花を咲かせる観葉植物の代表格はアンスリウムであり、ハート型の仏炎苞が美しく花持ちも良いため、贈り物としても高い人気を集めています。
アンスリウムを育てる際は、直射日光を避けた明るい場所を選び、土が乾いたらたっぷりと水やりするのがポイントです。肥料に関しては生育期に与え、寒さが厳しくなる冬では与えずに育ててください。
アンスリウム以外にも、エピスシアやグズマニア、シャコバサボテンなど、赤い花を咲かせる観葉植物は複数存在します。種類によって魅力が異なるため、それぞれの特性を理解した上で選ぶようにしましょう。
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