夏になると観葉植物が元気をなくしたり、葉が焼けたりしてしまう…そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。強い日差しや高温多湿、室内の冷房による乾燥など、夏は植物にとっても意外と過酷な季節です。
そこで本記事では、暑さに強く、夏場でも元気に育てられる観葉植物を厳選してご紹介します。さらに、夏の時期に気をつけたい育て方のポイントも解説。夏越しに失敗したくない方や、初心者でも安心して育てられる植物を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
夏に強い観葉植物10選
暑さが厳しい夏でも元気に育つ観葉植物を10種厳選しました。
- パキラ
- モンステラ
- サンスベリア
- アグラオネマ
- ポトス
- アンスリウム
- ガジュマル
- ドラセナ・コンシンネ
- フィカス・ベンガレンシス
- ザミオクルカス(ザミーフォーリア)
それぞれの特徴や育てやすさを知って、自宅の環境に合った植物選びの参考にしてください。
パキラ
パキラは強健で環境適応力が高く、夏の高温多湿にも負けない代表的な観葉植物です。明るい場所を好みますが直射日光には少し弱いため、レースカーテン越しなどの柔らかい光が理想です。乾燥にも比較的強く、水やりの頻度が少なくて済むので、初心者でも安心して育てられます。幹が太く、ぐんぐん背が伸びる成長の様子も楽しめる人気の一品です。
モンステラ
独特な葉の切れ込みが特徴的なモンステラは、熱帯アメリカ原産で暑さにとても強い植物です。湿度が高い夏場はむしろ生育が活発になり、日ごとに葉の枚数が増える様子を観察できます。耐陰性もあり、室内の明るい日陰でも元気に育つので、置き場所を選びにくいのもポイントです。少し大きくなっても横に広がるだけなので、床や棚の上で圧迫感なく楽しめます。
サンスベリア
サンスベリアは多肉質の葉に水分をたっぷり蓄えており、真夏の乾燥や強光にも耐えられる非常にタフな植物です。「虎の尾」などの別名でも知られ、シュッとした縦長の葉がインテリアにも映える存在です。
水やりの回数も極めて少なく、夏でも数週間に一度程度で十分。蒸れにくい性質を持っているため、風通しの悪い室内でも育てやすいのが魅力です。
アグラオネマ
アグラオネマは高温多湿の環境を好み、夏場にぐんぐん育つ性質があります。やわらかな葉に斑が入った美しい見た目で、室内にやさしい彩りを加えてくれます。
日陰でも元気に育つため、冷房が効いた室内でもストレスなく管理できます。強い日差しには少し注意が必要ですが、全体的に環境変化に強く、初心者にも育てやすい品種として人気があります。
ポトス
ポトスは非常に丈夫な観葉植物で、暑さ・湿気・乾燥すべてに強く、真夏でも生き生きとした葉を保ってくれます。
水挿しでも土植えでも育てられる柔軟さがあり、つるが伸びる様子を楽しんだり、切って増やしたりと育てる楽しさも豊富。エアコンによる乾燥にも強く、リビングやキッチンなどあらゆる場所で活躍してくれます。初心者が最初に育てる植物としても定番です。
アンスリウム
アンスリウムは熱帯アメリカ原産で、湿度と暖かさを好む性質を持っています。夏になると色鮮やかな花のような苞(ほう)を咲かせることもあり、華やかさを求める人におすすめの観葉植物です。耐陰性もあるため直射日光は避ける必要がありますが、明るい室内ならしっかり育ちます。水やりと霧吹きをバランスよく行うことで、葉も花も長く楽しめます。
ガジュマル
ガジュマルは「多幸の木」として知られ、沖縄などの亜熱帯地域に自生する植物です。夏の暑さに非常に強く、乾燥にも耐えるため、水やりをうっかり忘れても枯れにくい安心感があります。
ユニークな根の形もインテリアのアクセントになりやすく、育てる楽しさと見る楽しさの両方が味わえます。日当たりの良い場所でよく育ち、強健な性質が魅力です。
ドラセナ・コンシンネ
スタイリッシュな細葉が印象的なドラセナ・コンシンネは、高温にも乾燥にも強く、夏でも元気に育つ観葉植物です。空気浄化作用があるとされ、室内環境を整える観点からも人気があります。
日光を好みますが、直射日光は避けるのが無難です。水やりも控えめでOKなため、手間をかけずに楽しみたい方にぴったりの植物です。
フィカス・ベンガレンシス
フィカス・ベンガレンシスは丈夫で成長も早く、暑さに強い品種です。ゴムの木の仲間で、厚みのある葉は水分をよく保持し、乾燥に強いのが特徴。直射日光には少し注意が必要ですが、明るい室内に置けばすくすくと育ちます。
枝ぶりも美しく、成長に合わせて剪定や仕立てを楽しむことができ、夏でも存在感あるグリーンインテリアになるでしょう。
ザミオクルカス(ザミーフォーリア)
光が少なくても育ち、水やりの回数も最小限で済むザミオクルカスは、夏に強い観葉植物の代表格です。葉は光沢があり、丈夫でしっかりした質感を持ち、非常にタフな性質です。室内の暑さやエアコンによる乾燥にも耐性があり、忙しい方や植物初心者にとって理想的な一鉢といえるでしょう。おしゃれな雰囲気もあり、玄関や書斎などにもおすすめです。
夏を乗り切るための観葉植物の育て方のコツ
どんなに暑さに強い観葉植物であっても、環境次第ではストレスを感じてしまいます。
- 直射日光は避け、明るい日陰に置く
- 水やりは朝か夕方、土の状態を見て調整
- 風通しと湿度のバランスを意識する
- エアコンの風が直接当たらない場所に置く
ここでは、夏の高温多湿をうまく乗り切るための育て方のポイントをご紹介します。
直射日光は避け、明るい日陰に置く
観葉植物の多くは強い直射日光に当たると葉焼けを起こします。特に夏の昼間の日差しはかなり強烈なので、レースカーテン越しのやわらかい光が当たる場所や、明るい日陰に移動させてあげましょう。南向きの窓際に置いている場合は、時間帯によって遮光ネットなどを活用するのもおすすめです。
光が強すぎるかどうかは、葉の色あせや茶色い斑点が目安になります。
水やりは朝か夕方、土の状態を見て調整
夏は気温が高いため、日中に水を与えると鉢内が急激に熱を持ち、根が傷む恐れがあります。水やりは朝か夕方の涼しい時間帯を選びましょう。
また、「毎日あげる」よりも「土の乾き具合を見て判断する」ことが大切です。表面が乾いてから数センチ掘って、中も乾いていればたっぷりと与える、というリズムが植物にとって快適です。
風通しと湿度のバランスを意識する
高温多湿な環境はカビや根腐れの原因になりますが、乾燥しすぎも葉のダメージにつながります。サーキュレーターや換気で風を通しつつ、必要に応じて加湿器や霧吹きで湿度を保つ工夫をしましょう。
風が直接当たると乾燥しすぎることもあるため、空気を循環させるように配置を調整するのがコツです。
エアコンの風が直接当たらない場所に置く
冷房によって室温が下がりすぎると、熱帯原産の植物には寒さと同様のストレスになります。特に風が直接当たる場所は急激に乾燥し、葉が傷んだり水分を奪われたりする原因になります。
エアコンの風が直撃しない位置を選び、室温も急に下がらないよう配慮しましょう。必要があれば、植物の近くに観葉植物用のシートや風よけを設置するのも効果的です。
夏に観葉植物を元気に育てるために気をつけたいこと
夏は観葉植物が活発に育つ時期であると同時に、トラブルが起きやすい季節でもあります。
- 根腐れを防ぐために排水性の良い鉢を使う
- 遮光やカーテン越しに管理する
- 害虫が繁殖しやすい時期なのでこまめにチェックする
元気な状態をキープするために、以上のような点に注意して育てましょう。
根腐れを防ぐために排水性の良い鉢を使う
高温多湿の夏は、土の中の水分が蒸発しにくく、根が常に湿った状態になりがちです。そのままでは酸素不足となり、根腐れを引き起こすリスクが高まります。対策として、鉢の底にしっかりと排水穴があり、通気性・排水性の良い用土を使うことが重要です。
水受け皿に水が溜まりっぱなしになっていないかもこまめにチェックしましょう。
遮光やカーテン越しに管理する
夏の直射日光は非常に強く、屋内の窓越しでも葉が焼けてしまうことがあります。葉が白っぽくなったり、焦げたような茶色い斑点が見られたら葉焼けのサイン。
日当たりが強い時間帯にはレースカーテンで光を和らげたり、遮光ネットを使って調整するのが効果的です。葉焼けは一度起こすと元に戻らないため、予防が何より大切です。
害虫が繁殖しやすい時期なのでこまめにチェックする
夏は高温多湿により害虫が活発になりやすく、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシなどが繁殖しやすくなります。特に葉の裏側や茎の付け根などに注意して、週に一度はじっくりとチェックする習慣をつけましょう。害虫を見つけたら、早めに濡れティッシュで拭き取る、水で流す、あるいは植物にやさしい専用スプレーで駆除することが大切です。
害虫対策を怠ると、せっかくの夏の成長期を台無しにしてしまうこともあるので注意しましょう。
まとめ
夏は観葉植物にとって試練の季節と思われがちですが、品種選びや管理の工夫次第で、むしろもっとも成長が楽しめる時期でもあります。パキラやモンステラ、サンスベリアなど、暑さや湿度に強い植物を選べば、日々ぐんぐんと葉を伸ばす様子を観察でき、インテリアとしても生き生きとした印象を与えてくれます。
また、水やりのタイミングや置き場所をほんの少し工夫するだけでも、植物のストレスを軽減し、根腐れや葉焼けといった夏特有のトラブルを未然に防ぐことができます。風通しやエアコンの影響に注意しつつ、植物と快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
暑さに強い観葉植物は、忙しい方や初心者にもぴったりです。この夏は、暮らしにグリーンを取り入れながら、植物の成長とともに涼やかで心地よい空間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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