「子どもと一緒に観葉植物を育ててみたい」そんな想いを持つ親御さんは増えています。植物とふれあう体験は、命の尊さや自然の変化への気づきを育み、日常生活に豊かな感性をもたらしてくれます。しかも観葉植物は室内で育てられるため、天候に左右されず気軽にスタートできるのも魅力です。
そこで本記事では、子どもと観葉植物を育てるメリットや選び方のコツ、育てやすくて安全なおすすめ植物、さらには親子で楽しむための育成アイデアまでを紹介します。
子どもと観葉植物を育てるメリット
観葉植物を子どもと一緒に育てることには、ただ緑を楽しむだけでなく、子どもの心や生活習慣に良い影響を与えるさまざまなメリットがあります。
- 命の大切さや成長の過程を学べる
- 感性や好奇心が育つ
- 毎日の習慣づくりに役立つ
- 家族のコミュニケーションが増える
ここでは、その代表的な効果を紹介します。
命の大切さや成長の過程を学べる
毎日の世話を通して、子どもは植物が「生きている存在」であることを自然と理解していきます。水をあげると元気になったり、日差しのある場所に置くと葉が広がったりと、植物は目に見える変化を通じて生きる力を教えてくれます。
芽が出て、葉が育ち、やがて背が伸びていく―そんな成長の過程を見守ることで、命に対するやさしさや責任感が育まれるでしょう。
感性や好奇心が育つ
植物には色や形、手触りなど多様な個性があり、子どもは五感を通してそれらを感じ取ります。たとえば「この葉はツルツルだけど、あっちはふわふわ」「こっちはなんだかいい匂いがする」など、小さな発見の積み重ねが感性を豊かにし、自然に対する好奇心や観察力を育ててくれるでしょう。
季節や日照の違いで様子が変わる点も、学びのきっかけになります。
毎日の習慣づくりに役立つ
植物を育てることは、継続的な世話が求められるため、子どもの生活に「毎日ちょっとだけ続ける」習慣を根づかせる良い機会になります。朝起きて植物の様子を見たり、帰宅後に水をあげたりすることで、自分の役割を持つ責任感が育ち、日々の生活リズムも安定しやすくなります。
「今日は水やった?」という親子のやりとりが自然と生まれ、植物が生活の一部になる感覚も魅力です。
家族のコミュニケーションが増える
植物の成長を共有することで、親子の会話やふれあいの時間が増えるというのも大きなメリットです。葉が増えた、新芽が出たなどの変化に気づくたびに、「見て見て!」と話題が生まれます。
また、どんな名前をつけようか、どこに置こうかと相談する中で、子どもは自分の意見を伝える経験を積み、親は子どもの感性を知ることができます。植物は親子の関係をより深める会話の種にもなるのです。
子どもと育てる観葉植物の選び方
観葉植物を子どもと一緒に育てるときは、「育てやすさ」や「安全性」、さらには「楽しさ」も重視したいポイントです。植物の特性を知って選ぶことで、親子でのグリーンライフがより豊かになります。
- お世話が簡単で丈夫な品種を選ぶ
- 毒性のない安全な植物を選ぶ
- 子どもの背丈でも見やすい場所に置ける植物を選ぶ
- 葉や形がユニークで楽しめる植物を選ぶ
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
お世話が簡単で丈夫な品種を選ぶ
植物に初めてふれる子どもにとって、繊細な品種よりも、丈夫で少々の環境変化にも耐えてくれる植物が最適です。水やりや日当たりに神経質にならなくても元気に育つタイプなら、失敗の不安も少なく、植物への愛着が自然と芽生えます。
「育てやすさ」は親にとっても大きな安心材料となり、無理なく続けられる習慣づくりにもつながるでしょう。
毒性のない安全な植物を選ぶ
子どもが小さい場合、特に注意したいのが「毒性」の有無です。誤って葉を口に入れてしまうリスクも考慮し、安心して室内に置ける植物を選ぶことが大切です。一般的に安全とされるパキラやポトス、テーブルヤシなどは人気がありますが、購入時や育てる前には必ず品種ごとの情報を確認しましょう。
家庭での安心感を守るためにも、安全性は最優先事項です。
子どもの背丈でも見やすい場所に置ける植物を選ぶ
せっかく一緒に育てるのなら、子どもが日々変化に気づけるような高さに植物を置く工夫も必要です。テーブルや棚の上など、子どもの視線に入りやすい場所に鉢を置くだけで、観察の頻度がぐっと増します。
また、床置きにする場合でも、低めのプランター台を使えば、安心して眺めたり手を伸ばしたりできるようになります。植物との距離を物理的に近づけることが、親しみの第一歩です。
葉や形がユニークで楽しめる植物を選ぶ
植物の姿形は、子どもにとって“生きた教材”のようなものです。たとえば、葉が手のひらのように広がるもの、模様が入っているもの、茎がクネクネと曲がっているものなど、見た目に特徴がある植物は、子どもの好奇心を引き出しやすくなります。
「これはなんでこうなってるの?」という素朴な疑問から、自然への探求心が育っていくはずです。楽しさを感じられる見た目も、観葉植物選びでは大切な要素の一つとなっています。
子どもと一緒に育てやすいおすすめ観葉植物
観葉植物と一口にいっても、その種類はさまざまです。
ここでは、初心者の親子でも扱いやすく、安全性にも配慮されたおすすめの植物を4種類ご紹介します。どれも家庭内で育てやすく、子どもとの日常に取り入れやすい植物ばかりです。
パキラ|丈夫で成長が目に見えてわかる
パキラは丈夫で育てやすく、葉も大きくて形が特徴的なため、子どもにも親しみやすい植物です。室内の明るい場所であれば元気に育ち、水やりも控えめでOK。
成長が比較的早いため、葉の増加や高さの変化など、育てる喜びを感じやすいのが魅力です。「昨日より葉っぱが広がってる!」という小さな気づきが、子どもにとっては大きな発見になるでしょう。
ポトス|育て方が簡単で失敗しにくい
観葉植物のなかでも特に初心者向けとして知られるポトスは、少ない光でも育ちやすく、水切れにもある程度耐える強さを持っています。
ハート型の葉も可愛らしく、成長に応じてツルが伸びていくので、「どこまで伸びるかな?」と観察を楽しめます。水挿しで育てることもできるため、透明な容器に入れて根の様子を見せてあげると、より興味を引き出せるでしょう。
テーブルヤシ|やさしい見た目で触っても安心
細く柔らかい葉を広げるテーブルヤシは、南国の雰囲気を感じさせる観葉植物です。手触りもやさしく、小さな子どもが触ってもケガをしにくいため安心感があります。
日陰にも比較的強く、耐寒性もあるので、季節を問わず安定して育てられるのも魅力です。室内のワンポイントグリーンとして、インテリアにも自然に溶け込みます。
サンスベリア|水やりが少なくて済む
サンスベリアは乾燥に非常に強く、水やりの回数が少なくても元気に育つため、忙しいご家庭にもおすすめです。上に向かってスッと伸びるシャープな姿は、子どもにとっても印象的で、「背比べ」などの楽しみ方もできます。
また、空気清浄効果があるとされていることから、家族の健康にも一役買ってくれる存在です。室内の明るい場所に置いておくだけで育てられる点もポイントです。
育てる過程を楽しむための工夫
観葉植物の育成は、ただ世話をするだけでなく、日々の変化や成長を親子で楽しむことが大切です。ちょっとした工夫を取り入れることで、植物とのふれあいが思い出になり、子どもの興味や関心をより深めるきっかけにもなります。
- 成長記録をつける(絵日記や写真)
- 名前をつけて「植物を家族の一員」にする
- 水やり担当を交代で決める
- 葉や茎の変化を一緒に観察する時間を作る
ここでは、観葉植物を子どもと育てる過程を楽しむための工夫について見ていきましょう。
成長記録をつける(絵日記や写真)
植物の様子を観察しながら記録することで、育成の楽しさがぐっと広がります。小さな子どもなら、絵日記に葉っぱの絵を描いたり、顔を描いてみたりするだけでも楽しい作業になります。写真を撮ってアルバムやスマホに残せば、「あのときはこれくらいだったね」と成長を振り返ることができ、日々の変化を感じやすくなるでしょう。
名前をつけて「植物を家族の一員」にする
育てる植物に名前をつけることで、子どもはより愛着を持つようになります。「パキラちゃん」「グリーン先生」など、自由にネーミングすることで、「お世話している」という感覚がより強くなり、自然と大切に扱うようになります。
植物がひとつの命であり、家族の一部であるという意識が育まれることも大きな意義です。
水やり担当を交代で決める
毎日の水やりを「今日は誰の番?」といったかたちで交代制にすることで、楽しく続ける習慣が身につきます。きょうだいがいれば曜日で分担してみたり、親と一緒に行う「共同作業」にしてもよいでしょう。役割を持つことが子どもの自立心につながり、責任感も自然と育っていきます。
葉や茎の変化を一緒に観察する時間を作る
植物は日々少しずつ姿を変えていきます。その変化に気づくためには、「観察する時間」を意識的に作ることが大切です。朝の時間や寝る前など、決まったタイミングで葉の様子を一緒に見ることで、植物と向き合う習慣が生まれます。
「新しい葉っぱが出てる!」「なんだか元気ないね」など、ちょっとした気づきが会話につながり、自然への関心や思いやりの心を育むきっかけになるでしょう。
まとめ|観葉植物は親子の暮らしに彩りを与えてくれる存在
観葉植物を子どもと一緒に育てることは、単なる「園芸体験」にとどまりません。植物を育てる中で、子どもは命の尊さや自然の面白さ、そして日々の変化に気づく心を少しずつ育んでいきます。また、親子で成長を見守る喜びを分かち合うことで、会話やふれあいの時間も自然と増えていきます。
育てやすく安全な植物を選び、子どもの目線に合わせて置き方やお世話の工夫をすることで、小さな成功体験を積み重ねながら、植物との暮らしをより楽しいものにできるでしょう。水やり、観察、記録といった日常の中に、自然とのつながりを感じるひとときが生まれるはずです。
観葉植物は、家の中に緑を添えるだけでなく、親子の絆や感性までも豊かにしてくれる存在です。この機会に、ぜひ親子でグリーンライフを始めてみてはいかがでしょうか。
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