パキラは、1年~2年に一度、植え替えをしてあげることで、根の生育を促し、より大きく健康に育てることができます。
しかし、植え替えのタイミングを逃してしまうと、根詰まりを起こし、生育が衰え、最悪の場合枯れてしまうこともあります。
この記事では、初心者の方でも安心してパキラの植え替えができるよう、具体的な手順や注意点、そして失敗しないためのポイントを詳しく解説していきます。
また、植え替えの適期やサイン、よくある質問についても詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
パキラの植え替え方法
植え替えとは、根を広げるスペースを確保し、新鮮な土から栄養を吸収させるためのお手入れのこと。パキラを健康に育てるためには、1~2年に1回程度の植え替えが必要不可欠です。
植え替えに必要な道具や手順については、以下の項目で詳しく解説していきます。
パキラの植え替えに必要な道具
以下に、パキラの植え替えに必要な道具をまとめました。
- 新しい鉢
- 鉢底ネット
- 植え替え用の土
- スコップ
- はさみ
- 霧吹き
- 手袋
- 新聞紙
上記の道具を準備することで、スムーズにパキラの植え替え作業を行うことができます。
道具は100均でも揃えられる
パキラの植え替えに必要な道具は、100均でも揃えることができるため、低コストで植え替えを行うことができます。ただし、培養土は品質の良いものを選ぶようにしましょう。安価な培養土は、水はけが悪かったり、肥料分が少なかったりする場合があるためです。
高い費用をかけなくても、植え替えのための道具は揃えられますので、適切なタイミングで植え替えに挑戦してみましょう。
パキラの植え替えの手順
パキラの植え替えの手順は、以下の10ステップです。
- 新しい鉢と用土を用意します。
- パキラを現在の鉢から取り出します。鉢を横にして、鉢の底を軽くたたきながら、株全体を慎重に取り出してください。
- 古い土を根からほぐします。根に絡みついた古い土を、指で優しくほぐしてください。根が密集している場合は、根を傷つけないように注意しながら、古い土を取り除きます。
- 根をチェックし、傷んだ根や腐った根を取り除きます。健康的な根は白色で弾力があります。茶色くなった根や柔らかくなった根は、清潔なハサミで切り取ってください。
- 新しい鉢に、排水性を良くするため、鉢底ネットや鉢底石を敷きます。
- 新しい鉢に、適量の用土を入れます。鉢の深さの1/3程度まで土を入れてください。
- パキラを新しい鉢に移植します。株の高さが鉢の高さの1/2程度になるように調整してください。
- 株の周りに用土を足します。株と鉢の間に隙間ができないように、土を入れてください。その際、根を傷つけないように注意します。
- 土の表面を軽く押さえて、株を安定させます。強く押し過ぎないように注意してください。
- 最後に、たっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るまでゆっくりと水を与えてください。
以上の手順で、パキラの植え替えは完了です。植え替え後は、株が安定するまで1週間ほど直射日光を避け、様子を見ながら徐々に日当たりの良い場所に移動してください。
パキラの植え替え頻度は1~2年に一度
パキラの植え替え頻度は1~2年に一度が目安です。
ただし、以下のようなサインが見られる場合は、植え替えの時期が来ていると考えられるので、早めに植え替えを行うことをおすすめします。
- 鉢底から根が出ている
- 水やり後の給水が悪い
- 葉が黄色い
- 根腐れしている
これらのサインについて、詳しく見ていきましょう。
植え替えのサイン|鉢底から根が出ている
パキラの根が鉢底から出てきている場合は、植え替えの適期のサインです。
パキラは成長が早く、1年から2年で根が鉢いっぱいに広がります。根が鉢底の穴から出てきてしまうと、根詰まりを起こし、水はけや通気性が悪くなってしまいます。
根詰まりが進行すると、水を吸収しづらくなり、葉が黄色くなったり落葉したりするなど、樹勢が弱ってしまいます。このような状態になる前に、早めに植え替えを行うのがおすすめです。
植え替えのサイン|水やり後の給水が悪い
パキラの植え替えが必要なタイミングの一つに、「水やり後の給水が悪くなる」というサインがあります。
パキラは乾燥に比較的強い植物で、水切れにも耐えられます。しかし、植え替えの時期が近づくと、水をあげても鉢土に水が染み込まず、鉢の底からすぐに水が流れ出てしまうようになります。
鉢土の水はけが悪いと感じたら、他の植え替えサインもチェックしてみましょう。複数の植え替えサインが当てはまるようであれば、植え替えを検討する良いタイミングといえます。
植え替えのサイン|葉が黄色い
パキラの葉が黄色くなってしまった場合、植え替えで改善することがあります。
以下のような状況では、植え替えを検討しましょう。
状況 | 説明 |
葉の黄変に加え、幹が細くなったり軟らかくなっている | 健康的な成長の過程でも古い葉は黄色くなりますが、その場合は幹がしっかりとしています。 幹の調子が悪いようなら、根の状態を確認し、植え替えによって回復を促します。 |
葉が黄色くなり成長も止まっている | マグネシウムなどの栄養不足によって葉が黄変し、成長も鈍っている場合は、植え替えをして新しい土に変えるのが効果的です。 |
葉の黄変が全体的で、原因が特定できない | 日当たりや水やりなど、管理に問題がないのに葉の黄変が広がる場合は、根腐れなどの可能性があります。 |
葉の黄変が植え替えを必要とするサインなのか判断するには、黄変の状況だけでなく、幹や成長の様子もあわせて観察することが大切です。もし植え替えが必要と感じたら、適期に行動しましょう。
植え替えのサイン|根腐れしている
パキラの植え替えが必要なサインのひとつが根腐れです。パキラは水のやりすぎや排水不良によって根腐れを起こしやすい植物です。
根腐れしているパキラの症状としては、以下のようなものがあります。
- 葉が黄色くなる、しおれる
- 茎が柔らかくなる
- 悪臭がする
- 根が茶色や黒っぽくなり、ドロドロしている
このような症状が見られたら、パキラの根腐れが進行している可能性が高いです。根腐れを放置すると植物全体が枯れてしまうこともあるため、早めの植え替えが大切です。
パキラの植え替えにおすすめの時期は5~9月
パキラの植え替えは、植物の生育が盛んな5~9月頃がおすすめです。特に梅雨時期の6月は湿度が高く、パキラの植え替えに最適な条件が揃っています。
ただし真夏の8月は、気温が高すぎるため植え替えのストレスを感じやすくなりますので、避けたほうが良いでしょう。
パキラの植え替えに関するよくある質問
ここでは、パキラの植え替えに関するよくある質問について紹介します。
植え替え後、ぐらぐらするのですが失敗ですか?
パキラの植え替え直後はまだ根が新しい土に張り巡らされていないため、2週間から4週間程度はぐらぐらとした状態が続くのが普通です。風などの影響で倒れそうになる場合は、根がしっかりと土に定着するまでの一時的な処置として支柱を立てて固定するのがおすすめです。
小さめのパキラなら、100均などで手に入る割り箸と結束バンドでも十分に支えることができます。 一方、幹が太く高さのあるパキラには、しっかりとした支柱を用意するのが無難でしょう。園芸店などで専用の支柱を購入するのがベストですが、家にある不要になった物を代用するのもアリです。
パキラが自立できるようになったら速やかに支柱を外すようにしましょう。
植え替えにおすすめの土は?
パキラの植え替えにおすすめなのは、観葉植物用培養土です。
観葉植物用培養土を使えば、自分で土を用意する手間が省けるため、パキラの植え替えを簡単に行えるのが利点です。土づくりに時間をかけたくない方や、最適な配合の土を用意するのが難しいという方におすすめです。
土を使わずにパキラを育てたい場合は、バーミキュライトや鹿沼土だけで植え替えるのも一つの方法でしょう。
大きくしたくない場合も植え替えは必要?
大きくしたくない場合は、根を切らず、ほぐしてあげてから同じ鉢に植え替えることで、サイズを維持することが可能です。
パキラを大きく育てたくない場合でも、定期的な植え替えは必要不可欠です。植え替えをしないと、根詰まりを起こし枯れる原因となってしまいますので、定期的に植え替えをしてあげましょう。
植え替え後の管理方法は?
パキラの植え替え後は、しばらく日陰で管理し、徐々に日当たりの良い場所に慣らしていきましょう。植え替え直後は根を痛めているため、水を吸い上げる力が弱くなっています。 そのため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。
また、植え替え後1ヶ月は液体肥料を与えるのを控えましょう。
植え替え中に根が切れてしまったらどうしたらいい?
植え替え作業中に誤ってパキラの根を切ってしまった場合、慌てずに以下の手順で対処すると良いでしょう。
①切れた根の断面を観察し、切り口が綺麗でなければカッターなどでまっすぐにカットします。
②切り口から水分が流れ出すのを防ぐため、切り口を乾燥させます。30分~1時間ほど陰干しするのがおすすめです。
③新しい鉢に土を入れ、植え替えを進めます。この時、根が切れた部分は土の中に埋めるようにしましょう。
④植え付け後は、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
切れてしまった根の部分からは水分が奪われ、蒸散が進んでしまいます。そのため植え替え後しばらくは日陰で管理し、葉水を与えるなどして乾燥を防ぐことが大切です。
パキラは定期的に植え替えをしてあげよう
パキラは丈夫な観葉植物ですが、植え替えをせずに長期間同じ鉢で育てると、生育不良や病気の原因になります。パキラを健康に育てるためには、1~2年に1回程度の植え替えが必要不可欠なのです。
植え替えの適切なタイミングは、鉢底から根が出ていたり、水やり後の水はけが悪くなったときです。また、葉が黄色くなったり、根腐れが発生している場合も、植え替えが必要なサインと言えるでしょう。
パキラの植え替えにおすすめの時期は、5月~9月の生育期です。この時期に植え替えを行うことで、パキラはスムーズに新しい環境に適応し、元気に育ってくれます。
植え替えは、パキラにとって健康的に育つために欠かせないお手入れです。道具も100均で揃えられるものばかりですので、長くパキラを楽しむためにも、定期的に植え替えをしてあげましょう。
コメント