サンスベリアは、初心者でも育てやすい観葉植物として人気がありますが、水やりや置き場所を間違えると、枯れてしまうこともあります。サンスベリアを枯らしてしまった経験がある方は、意外と多いのではないでしょうか。
「せっかく育て始めたのに、枯らしてしまった」「もっと早く、正しい育て方を知っていたら」と嘆いている方も多いと思います。
しかし、サンスベリアは、ちょっとしたコツさえつかめば、枯らさずに育てることが可能です。本記事では、サンスベリアが枯れる原因と枯れたときの対処法・枯らさないための予防法をご紹介します。
サンスベリアを枯らしてしまった経験がある方も、これからサンスベリアを育ててみたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
サンスベリアが枯れる原因
サンスベリアが枯れる主な原因としては、以下の3つが挙げられます。
- 根腐れ
- 葉焼け
- 立枯病
ここでは、それぞれの原因にどのような症状が現れるかを交えながら分かりやすく紹介します。
根腐れ
サンスベリアが枯れてしまう原因として、根腐れとなっているケースがほとんどです。根腐れは文字通り、根が腐ることを指しており植物の根が酸素不足や水ストレスなどの影響で腐敗してしまう現象です。根は植物にとって水分や養分を吸収する重要な器官ですが、根腐れが起こるとこれらの機能が阻害され、植物全体に悪影響を及ぼします。
サンスベリアをはじめとした植物は根を通して栄養分や水分を吸収しますが、水のやりすぎや土の状態が悪かったりすると根腐れを起こすのです。生命の源となる栄養分や水分を吸収するための根が腐ってしまうとサンスベリアは元気がなくなり、葉が枯れてしまうなどの症状が現れます。
葉焼け
サンスベリアが枯れる原因としては、葉焼けも挙げられます。葉焼けとは、本来は緑色である葉が茶色っぽく変色してしまう現象を指しており、植物の葉が強すぎる日光によって火傷 したような状態になったものです。 葉焼けは、観葉植物や庭木など幅広い種類の植物に発生します。
植物には日の光が欠かせませんが、必要以上に強い日差しを当ててしまうと葉の組織を正常な状態に保つのが困難になり、成長に不可欠な光合成ができません。光合成が妨げられた結果、葉焼けが起こってしまい、最終的には枯れてしまいます。
立枯病
立枯病(たてかれびょう)は、土壌中に潜む病原菌が原因で起こる植物の病気です。病原菌の種類によってさまざまな症状が出ますが、一般的には、根や茎が腐敗して倒れたり、葉が枯れたりするようになります。
葉の下のほうから黄色くなり、株が枯れたり茎や根が腐ったりする立枯病もサンスベリアが枯れる原因の一つです。
立枯病は寒さが厳しい環境にサンスベリアを置いていたり、葉の上から水をやったりするとかかりやすくなるので注意しなければなりません。
サンスベリアが枯れたときの対処法
育てているサンスベリアが枯れてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。枯れてしまったサンスベリアの葉は、元気な部分が一部でも残っていればその部分を活かすことができます。ここでは、枯れたときの対処法を解説するのでぜひ役立ててください。
葉挿しをする
サンスベリアが枯れたときの対処法として、葉挿しが挙げられます。
葉挿しとは、元気な葉を切り取って土に挿す方法を指します。株を取り出すことなく、葉の部分のみを切って作業が行えるため、比較的簡単なのが特徴です。植物は葉に養分を蓄えているため、一枚の葉からでも新しい芽や根を出して成長することができます。葉挿しは、種まきよりも簡単に増殖させることができ、初心者でも比較的成功しやすい方法です。
サンスベリアの株全体が弱っていても、ごく一部の葉は元気というような状態の場合は葉挿しで対処すると良いでしょう。サンスベリアの葉挿しに適した時期は5~9月ごろで、真夏は避けたほうが無難です。
葉挿しの方法
- サンスベリアから瑞々しくて元気な葉を選んで株元から切り取り、10cm程度の長さに切り揃えて日陰で数日間乾燥させます。
- ある程度乾燥したら切り口を下にして、土に挿し込みます。そのまま水をやらずに置いておくと、1ヶ月程度で根や芽が成長するでしょう。
- 成長してきたら、丁度良いサイズの鉢に植え替えてください。
株分けをする
一部に枯れた葉があるものの、株全体に元気があるなら株分けを検討しましょう。株分けとは、大きくなった植物をいくつかの株に分けて、それぞれを新しい鉢に植え替える方法です。株分けは、地下茎で株を増やすサンスベリアの特性にマッチしており、親株から新たな子株を切り分けて増やせるのが主な特徴です。
サンスベリアの株分けを行う場合も葉挿し同様、5~9月ごろが最適な時期です。
株分けの方法
鉢からサンスベリアを取り出し、根を丁寧にほぐして土を落としてください。株の状態を確かめながら株を分け、子株がある場合はハサミやナイフで切り取ります。切り取った子株を半日から1日程度日陰で乾燥させ、サンスベリアの子株に合わせた新しい鉢に植え替えてください。土が湿る程度の水やりを行い、乾燥気味に管理しましょう。
サンスベリアを枯らさないための予防法
サンスベリアを枯らさないために、前もって対策したいと考える方は多いでしょう。実は、サンスベリアはコツさえつかめば枯らさずに育てられます。枯らさないための予防策は、以下の通りです。
- 水のやりすぎに注意する
- 鉢の中に根が密集しないように注意する
- 冬の時期の管理に注意する
- 受け皿に溜まった水は捨てる
- 肥料は必要なときのみ与える
- 置き場所を見直してみる
- 霧吹きで葉水をする
以下でそれぞれの予防策を詳しく見ていきましょう。
水のやりすぎに注意する
水のやりすぎに注意するのは、サンスベリアを育てる上でしっかり押さえておきたいポイントです。
肉厚の葉が特徴なサンスベリアは、葉の中に水分を貯め込む性質があり、乾燥に強い植物です。数日間であれば、水をやらなくても枯れることはありません。
その一方で、サンスベリアに水をやりすぎてしまうと、根腐れを起こす可能性があります。サンスベリアは水分がなくなってくると葉にしわが出るので、その症状が確認できてから水をあげるようにしましょう。
鉢の中に根が密集しないように注意する
鉢の中に根が密集しないように注意することも大切です。
根が密集していると、植物の成長を妨げる根詰まりの原因になってしまいます。ずっと鉢を植え替えないままにしていると根が窮屈になってしまい、根詰まりが起きてしまう可能性があるのです。
水やりの際に、水のはけが悪いと感じたら一回り大きい鉢を用意し、早めに植え替えをするのがおすすめです。
冬の時期の管理に注意する
冬の時期は管理に注意するのも、枯らさないためのポイントです。
サンスベリアは乾燥や暑さに強い一方で寒さには弱く、気温が10~15℃を下回ると休眠状態に入ります。その状態で水や肥料をやると株に負担をかけてしまい、枯れてしまう可能性があります。
また、冬場は日が短く日照不足になりがちですが、サンスベリアは日光を好む植物です。日光が足りていない場合も、サンスベリアが枯れる原因となるので注意してください。
気温が低く寒い冬場では水やりや肥料は控え、できるだけ日に当てて育てると良いでしょう。
受け皿に溜まった水は捨てる
日常的な管理では、受け皿に溜まった水をこまめに捨てることも大切です。
水やりを控えていても、受け皿に溜まった水をそのままにしておくとサンスベリアが根から水を吸収してしまい、水分過多になって根腐れを起こしてしまいます。
水やりをしたあとは受け皿の水を捨てるようにし、余分な水分を与えないようにしてください。
肥料は必要なときのみ与える
水だけでなく、肥料をやりすぎないことも大事です。
比較的丈夫なサンスベリアは、5~9月ごろの生育期に肥料を与えておけば冬場の寒さに耐えられるようになります。しかし、基本的には肥料を与えなくても元気に育ちやすい植物なので、他の観葉植物のように定期的に肥料を与える必要はありません。
小さいサンスベリアを早く大きくしたいなど、必要なときにだけ肥料を与えると良いでしょう。
置き場所を見直してみる
サンスベリアが枯れるのを予防するためには、置き場所を見直すことをおすすめします。
サンスベリアは、基本的に室内で窓ガラス越しの日光に当てて育成しますが、真夏の強い日差しでは葉焼けしてしまう可能性があります。真夏は、カーテン越しの柔らかい光を当てると良いでしょう。
また、サンスベリアの様子を見て弱っているようなら、日当たりの良い場所に移動させてください。
霧吹きで葉水をする
葉水とは、観葉植物などの葉に霧吹きなどで水を吹きかけることです。
空気の乾燥を防ぐために葉水をするのも、サンスベリアを枯らさないための有効な予防法です。葉水をすると空気の乾燥を防ぐことができ、葉が乾燥してしまうことを予防できます。それだけでなく、カイガラムシなどの害虫予防にもつながり、元気な状態を保ちやすくなるでしょう。
水やりを控えている寒い時期では定期的に霧吹きで葉水を行い、葉の潤いを維持するようにしてください。
まとめ
本記事では、サンスベリアが枯れる主な原因や枯れたときの対処法などを解説しました。
サンスベリアが枯れる主な原因には、根腐れや葉焼け、立枯病があります。枯れる原因を理解した上で適切に対処すれば、サンスベリアを救うことは可能です。
また、水のやりすぎに注意したり冬場の管理をしっかり行ったりすることでサンスベリアが枯れないように予防ができ、元気な状態を保ちやすくなるでしょう。
ぜひ本記事を参考に、サンスベリアが枯れてしまった場合の対処法や予防策を身につけ、元気なサンスベリアを育ててみてはいかがでしょうか。