観葉植物の中でも高い人気を誇るゴムの木。インテリアとしても活用できるため、育てている方は多いのではないでしょうか。
ゴムの木は主に挿し木で増やすことが可能ですが、イマイチやり方が分からないという方は少なくありません。
本記事では、ゴムの木の挿し木をする際に準備したいアイテムや具体的な挿し木の方法を分かりやすく解説します。挿し木をする際のポイントや挿し木をしたあとのお世話のコツなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
挿し木の魅力とは?
植物の挿し木とは、植物の茎などの一部を切り取って土や水に挿して発根させ、新しい植物を増やす方法をいいます。種をまいて一から育てる方法も短期間で植物を増やせるのが特徴です。
挿し木はお金をかけることなく、簡単な道具を使用することで増やせるため、経済的で手軽にできる魅力があります。
また、挿し木なら親株と同じ性質の植物を育てられるので、より一層ガーデニングの楽しみを広げられるでしょう。
ゴムの木の挿し木をする際に用意するもの
ゴムの木の挿し木をするにあたって用意するものは以下の5つです。
- ゴムの木
- 切れ味の良いハサミ
- 植木鉢
- 用土
- 水苔
その中でも、ハサミは切れ味の良い園芸用ハサミを使用するのがポイントです。切れ味が悪いハサミだと切り口を潰してしまう場合があり、発根に影響を与えてしまいます。それだけでなく、不潔なハサミでカットすると切り口から菌が入ってゴムの木を弱めてしまう可能性があるので、手入れの行き届いたハサミを使用してください。
植木鉢は挿し木の本数に合わせて用意します。数が多い場合は育苗トレイで挿し木を行い、発根したら植木鉢に移すと良いでしょう。
あると便利なアイテム
上記で説明した道具以外にも、園芸用シートやビニールシートなどがあると良いでしょう。
挿し木の作業を行う際、周囲に土が飛び散る可能性がありますが、園芸用シートやビニールシートをあらかじめ敷いておけば床を汚してしまう心配がありません。園芸用シートやビニールシートがない場合は、自宅にある大きいサイズのチラシやラッピングペーパーなどでも代用できます。
また、手袋を用意するのもおすすめです。ゴムの木を挿し木する際、切り口から白い樹液が出てきますが、人によってはかぶれる可能性があります。直接触ると手が汚れてしまうこともあるので、気になる場合は手袋をしてから作業すると良いでしょう。
ゴムの木の挿し木を行う方法
ゴムの木の挿し木をするには、どのような手順に沿って作業を行えば良いのでしょうか。
ここでは、挿し木の方法を5つのステップに分け、ポイントを踏まえながら解説するので、順を追って作業を進めてください。
①挿し木を吸水させる
まず、ゴムの木の挿し木に吸水させる作業(水あげ)を行います。
ゴムの木の枝先から10~15㎝の長さで切り口を斜めになるようにカットします。その際、切り口が空気に触れないように水の中でカットするのがポイントです。
剪定した枝は、水をためた容器の中で1時間~半日程度つけておき、たっぷりと水を吸わせます。
②水苔で包み発根させる
吸水させる作業が完了したら、水苔で包み発根させる作業を行います。水苔は保水性に優れているので、発根するために必要な環境を維持してくれます。
水に浸して水苔をふやかし、ゴムの木の挿し木の切り口を丁寧に覆ってください。その後、挿し木から根が出るまでの間は日陰の涼しい場所で管理しましょう。
この工程は省略することも可能ですが、水苔で包むことで発根率が高まります。挿し木を初めて行う場合は、水苔を使用して発根の管理を行うのがおすすめです。
③水苔ごと植木鉢に入れ用土を入れる
挿し木から根が出たのが確認できたら、水苔ごと植木鉢に入れ、用土を入れてください。
植え付ける際は、一番下の葉の付け根まで土にしっかりと挿すのがポイントです。葉の付け根の辺りは発根率が高い部分なので、土にきちんと挿すようにしましょう。
④植え付けたら水をたっぷり与える
植え付けが終わったら、水をたっぷり与えてください。そのあとは明るい日陰で管理し、徐々に明るい場所に移すようにしましょう。
挿し木したばかりの枝は根がないため、一般的な植物よりも水分を吸い上げるのが困難な状態です。こまめに水やりをして、土が乾かないように注意してください。
⑤根が十分に生長したら植え替える
新芽が確認できれば、挿し木はほぼ成功です。新芽が見つかったら水やりに加え、週に1回程度のペースで薄めた液肥を与えましょう。
鉢に1本だけ挿し木をしている場合は根っこが生長するまで植え替える必要はありませんが、育苗トレイなどでまとめて挿し木をしている場合はある程度育ったらそれぞれの鉢に植え替えてください。
ゴムの木の挿し木をする際のポイント
ゴムの木の挿し木をする際に押さえておくべきポイントは以下の2つです。
- 挿し木をしたばかりの時期は水を絶やさない
- 挿し木の時期は5~7月
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
挿し木をしたばかりの時期は水を絶やさない
ゴムの木の挿し木をする上で重要なのが、挿し木をしたばかりの時期は水を絶やさないという点です。
挿し木をしてすぐの時期は根が生えておらず、断面部分でしか吸水が行えません。生長に必要な水分を吸収させるためにも、土が乾燥していたらすぐに水をやるように心がけてください。
挿し木の時期は5~7月
ゴムの木の挿し木に適した時期は5~7月です。ゴムの木は熱帯地域原産の植物であり、気温が高い時期に生長する性質があります。
5~7月は温度だけでなく湿度も上がって乾燥することが減るため、挿し木がしやすくなります。
8~9月でも挿し木は行えますが、新しい芽や根が出てもすぐに寒い時期を迎えることになり、生長し切っていない状態で冬を越えなければなりません。冬場では温度調整をする必要があり、管理を怠ってしまうと枯れてしまう可能性があります。
挿し木を確実に成功させたい場合は5~7月ごろに行うのが無難です。
ゴムの木の挿し木が生長したあとの育て方
ゴムの木は挿し木に成功しても、油断は禁物です。その後の育て方が好ましくないと健全な生長が望めない場合があるため、慎重にお世話をするようにしてください。
最後に、ゴムの木の挿し木をしっかり育てるためのポイントを紹介します。
植え替え
ゴムの木の挿し木が成功し、鉢に植え替えをする際は、鉢のサイズに配慮することが大切です。挿し木に対して鉢が大きすぎると水やりをしたときに土が乾燥しにくく、根腐れなどの原因につながってしまいます。そのため、挿し木を鉢へ植え替える際は3号などの小さいサイズの鉢を選ぶのが理想です。
また、挿し木したばかりのゴムの木は根が繊細なので、丁寧に植え替えを行うようにしてください。
置き場所と日当たり
ゴムの木の挿し木は明るい日陰などの柔らかい光が当たる場所で管理しましょう。直射日光が当たる場所に置いてしまうと、光が強すぎて葉焼けを起こしてしまう可能性があるので注意してください。
また、窓際に置く場合、時間帯や角度などによっては直射日光になってしまうことがあります。レースカーテンなどを上手に活用し、挿し木に強い光が当たらないようにしてください。
肥料
肥料は、生長に合わせて適切なタイミングで与えることが重要です。3号の小さいサイズで置き肥の場合は3ヶ月に1回程度、液肥の場合は週に1回程度与えると良いでしょう。
徐々に大きくなり、4号や5号などのサイズに植え替えた際は、肥料を増やしていくのがポイントです。
発根したばかりの時期に過度に肥料を与えてしまうと、根の生長を阻害してしまう可能性があります。早く生長してほしいと考える方は多いですが、適度に肥料を与えるのが肝心です。
剪定
ゴムの木の挿し木を元気に生長させるためには、適切な剪定も大切です。
挿し木の生長が進み、葉が大きかったり多かったりすると葉の先から水分が蒸散してしまい、必要な水分を確保できなくなって元気がなくなってしまいます。
元気に生長してもらうためにも、定期的に剪定するようにしてください。剪定する際は、葉を半分程度カットすることで蒸散を防ぐことが可能です。
まとめ
ゴムの木の挿し木は、ちゃんとした手順を押さえておけば初心者でも比較的簡単に行えます。挿し木を成功させるには、乾燥を防ぐことが重要なポイントです。こまめに水やりを行い、土が乾燥しないように注意してください。
また、直射日光や肥料の与えすぎなどは枯れてしまう原因になるため、置き場所や育成方法を配慮することが大切です。
ぜひ本記事を参考に、ゴムの木の挿し木を楽しんでみてはいかがでしょうか。