観葉植物として人気の高いポトスは水耕栽培に向いており、おしゃれな水耕栽培を楽しめる植物の一つです。水耕栽培は土を使用しないので、「観葉植物は好きだけど鉢植えの管理が苦手」という方でも安心して育てられるでしょう。
本記事では、水耕栽培の魅力をはじめ、水耕栽培でポトスを育てるために必要な道具や手順、ポイントなどを紹介します。
水耕栽培の魅力とは?
地面や植木鉢に植えつける一般的な栽培に対して、土を使わずに水だけで植物を育てる栽培方法が「水耕栽培」です。容器の中には土の代わりに水を入れ、水に溶かされた液体肥料を吸い上げて生長します。
また、水耕栽培には水と合わせて人工の土を活用した「ハイドロカルチャー」という方法もあります。
ここでは、水耕栽培の代表的な3つの魅力を見ていきましょう。
土で汚れずに清潔に育てられる
水耕栽培は汚れを気にすることなく、清潔に育てやすいのが大きな魅力です。
土壌や鉢植えでの育成では土を使用しているので、どうしても土汚れが気になります。室内で植え替えをする際、部屋の中にうっかり土をまき散らしてしまうこともあるでしょう。
水耕栽培は土を使用しないので、手や部屋を汚さず清潔に植物を育てられます。土汚れの心配もないのでキッチンやリビングなどでインテリアとして楽しめます。
また、水を入れる容器は比較的小さいため、窓辺や机の上などの小さなスペースの雰囲気づくりにも活用することが可能です。
臭いや害虫発生のリスクが抑えられる
臭いや害虫が発生してしまうリスクを抑えられるのも、水耕栽培の魅力の一つです。
土を使った栽培では、土壌の変化で臭いが出たり害虫が発生したりすることがあります。ポトスなどの観葉植物は室内で楽しむことが多いので、このようなトラブルを気にする方は多いのではないでしょうか。
水耕栽培で育てる際も臭いや害虫を完全に防ぐことは難しいですが、水を清潔に保っていれば臭いや害虫が発生しにくくなります。「臭いが気になる」「虫が嫌い」などの理由から観葉植物に抵抗がある方でも、水耕栽培なら比較的育てやすいでしょう。
植物の根の細かい生長を見れる
水耕栽培は植物の根の細かい生長などを見れるのも魅力的なポイントです。
土による栽培では根っこ部分が土の中にあり、どのように生長をしているのかを確認するのは簡単ではありません。気づいたら鉢から根っこが飛び出ていたなどはよくある経験談です。
一方、水耕栽培はガラスなどの透けた容器で育成するので、根の生え始めや生長のスピードなどの日々の細かい変化を楽しめます。特にポトスは生長が比較的早い植物なので、葉と根が同時にぐんぐん伸びていく姿を堪能できるでしょう。
また、白く長く伸びる根はインテリアとしても美しく、日光やライトアップなどの演出で神秘的な雰囲気も楽しめます。
ポトスの水耕栽培に用意するもの
ポトスを水耕栽培する際、最低限用意するものは以下の2つです。
- ポトスの苗
- 透明な容器
- 小型のスコップ
- 園芸用のハサミ
ポトスの苗はホームセンターや園芸店で鉢植えとして販売されているものを購入し、スコップで容器へ移します。すでにポトスを育てている場合は、少しカットして挿し木として使えます。
容器は、日光を遮断しない透明なガラス容器などが良いでしょう。お試しで栽培したい場合はペットボトルでも十分です。
あると便利なアイテム
上記の道具にプラスして、液体肥料や根腐れ防止剤、霧吹きなどのアイテムも揃えておくと良いでしょう。
水耕栽培では液体肥料が植物の養分となるので、時期や状態を見ながら与えます。
また、水の管理に失敗すると根腐れを起こしてしまう場合があるので、園芸店などで販売されている水耕栽培専用の根腐れ防止剤を用意しておくと安心です。
ポトスを固定したい場合は、ハイドロカルチャーや培地を使用すれば安定を保ちながら育てられます。
ポトスの水耕栽培の手順
ポトスの水耕栽培の手順は主に2つであり、比較的簡単なので初心者の方でも安心して始められるでしょう。
- ポトスを挿しやすいように処理する
- 容器に水を入れポトスを挿す
以下で、具体的な流れを見ていきましょう。
①ポトスを挿しやすいように処理する
まずは水耕栽培で挿しやすいようにポトスの苗を処理します。
水耕栽培用の苗であれば問題ないですが、一般的な苗の場合は根の部分をよく洗って土を完全に落とすのがポイントです。土汚れが残っていると根腐れの原因となり、ポトスが弱ってしまうので注意してください。
すでに育てているポトスを活用する場合は、膨らんでいる節の部分を含めながらカットし、土汚れを洗い流して清潔な状態にします。節部分は生長の要であり、節がなければ水耕栽培は失敗してしまうので注意してください。
②容器に水を入れポトスを挿す
上記の処理を終えたら、容器に水を入れてポトスの苗を挿します。水の量は、根がしっかりつかる量が目安です。水を入れすぎてしまうと、根腐れの原因になるので注意が必要です。
また、挿すときは根の状態をよくチェックし、腐っていたり黒くなっていたりする部分があればやさしく落としておきます。
挿し木の苗の場合は、節から新芽が出て生長が進むので水位には気を配りましょう。
ポトスの水耕栽培をする際のポイント
ポトスは熱帯地方を原産とするサトイモ科・つる性の観葉植物であり、ツヤのある緑色の葉が人気の品種です。
比較的丈夫で育てやすいことから初心者向けの観葉植物ともいわれていますが、より元気に育てるためには育て方の基本を知っておくことが大切です。
ここでは、ポトスの水耕栽培する際に押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
①5~7月に始める
ポトスの水耕栽培は、暖かく生育期にあたる5~7月に始めるのがおすすめです。
ポトスは暑さに強く、寒さにやや弱い植物です。5~7月は生育期で株が元気になるため、水耕栽培などの環境の変化に馴染みやすい傾向にあります。
一方で、5℃を下回る冬場は休眠期で生長が止まってしまうので、水耕栽培のスタートには向いていません。それだけでなく、10℃を下回るとポトスは枯れやすくなるため、細やかなケアが必要です。
②水の入れ替えはできる限り頻繁にする
水耕栽培を成功させる大きなポイントは、水の清潔さを保つことです。水の入れ替えはできるだけ頻繁に行い、毎日交換するのが理想的です。
まめにケアをできない環境で栽培している場合は、水耕栽培用の根腐れ防止剤を用意しておくと良いでしょう。ただし、根腐れ防止剤を入れすぎると株を弱める原因になってしまうので注意してください。
③水切れに注意する
ポトスは比較的暑さに強い植物ですが、水がなければ当然枯れてしまいます。
容器内の水はポトスが吸い上げますが、気温によっては蒸発してなくなってしまうこともあります。特に夏場などの暑い季節は蒸発しやすいので定期的に水量をチェックし、水切れを起こさないように気をつけましょう。
④発根しない場合は肥料を利用する
ポトスの水耕栽培では、始めてから2~3週間程度で根が出るのが一般的です。その時期をすぎても発根の気配がないようなら、置き場所の日当たりや気温、水の温度などをチェックしてください。
特に問題が見当たらない場合は、液体肥料を投入して様子を見ます。ただし、肥料が必要なのは育ちが悪いときや元気がないときなので、過剰に与えすぎないように注意してください。
液体肥料は一般的なもので十分ですが商品によって希釈の数値が異なるので、定められた数値を守った上で肥料を与えるのが大切です。
⑤適度な水やりをする
ポトスをはじめ、水耕栽培の植物は養分の含まれた水を吸い上げることで生長するため、適切な水の管理が必要不可欠です。水をやりすぎると根腐れの原因となり、反対に乾燥状態もポトスを枯らしてしまいます。
また、水が汚れてぬめりが出るとポトスが養分を吸収できなくなり、弱ってしまう原因になります。水の入れ替えは定期的に行い、適度な水やりを心がけましょう。
ポトスの水耕栽培をおしゃれに飾る方法
ポトスは他の植物と比べて育てやすく、インテリアとしても活用しやすい観葉植物です。日常だけでなく、ホームパーティなどの場面でも部屋をおしゃれに彩ってくれるでしょう。
ポトスを水耕栽培で育てているなら、その魅力が十分に引き出される方法を選んでみてはいかがでしょうか。
最後に、ポトスの水耕栽培のおしゃれな飾り方のアイディアを紹介するので、部屋に飾る際に役立ててください。
ハイドロカルチャーを利用する
つるの生長が早いポトスは、ハンギングやスタンドにして容器から垂れさがるつるも魅力の一つです。水耕栽培の容器をハンギングにしたい場合は、ハイドロカルチャーを活用してみましょう。
ハイドロカルチャーは水耕栽培の一種で、容器の中に水だけではなくハイドロコーンやハイドロボールなどを入れて育てる栽培方法です。根に土台部分ができるので水の量を確保しやすい他、植物が固定され容器ごと吊るしても安定します。
おしゃれな瓶を利用する
ポトスの水耕栽培は穴の開いていない透明な容器であれば簡単に栽培でき、日光を浴びてきらめく様子は大きな魅力の一つです。ペットボトルなどでも栽培はできますが、インテリアとして飾るならおしゃれな形の瓶など入れ物にこだわってみても良いでしょう。
容器の形は、広がるポトスの形状に合うものを選びます。その中にビー玉を入れれば涼やかな雰囲気を演出でき、カバーをつければ季節ごとに雰囲気を変えられます。
また、容器の中の水が見えるデザインを選べば、より水耕栽培の魅力を堪能できるでしょう。
まとめ
ポトスは水耕栽培の初心者でも扱いやすく、比較的丈夫な観葉植物です。水のやり方や苗の準備方法など、ポイントを押さえておくだけで元気にポトスを育てられます。
ポトスの水耕栽培はリビングやキッチンなどの日常のスペースだけでなく、友人や知人を招いたホームパーティなどをおしゃれに演出してくれます。生活に水耕栽培を取り入れて、気持ちの良い毎日を送ってみてはいかがでしょうか。