インテリアとして人気の観葉植物アラレア(ディジゴセカ)を育ててみたいけど、育て方が難しいと思っている方は多いのではないでしょうか。アラレアはニューカレドニア固有のウコギ科の植物で、ディジゴセカやグリーンアラレアとも呼ばれています。今回は、アラレアを育てたい方に向けて育て方や注意点やよくあるトラブルと対処法を解説します。アラレアを育てるのが難しいと感じている方は、ぜひ参考にしてください。
アラレアはニューカレドニアのウコギ科の観葉植物
アラレアは、ニューカレドニア固有のウコギ科の植物で、ディジゴセカやグリーンアラレアの名前でも呼ばれています。亜熱帯気候に属するニューカレドニアは平均気温が24℃ほどと暖かい気候の国なので、アラレアも暑さには強く寒さに弱い植物です。
細長い葉は手のひらのように広がり、その1つ1つはギザギザと波打っていますが、全体的に見るとふんわりとしたシルエットをしているのでお部屋のインテリアに最適でしょう。
アラレアの持つ花言葉は「繊細」「優雅」で、5月11日の誕生花にもなっています。また、定番の観葉植物と比べ、個性的な姿をしているので近年の観葉植物ブームで人気が高まっています。
アラレアの基本情報は以下の通りです。
英名 | False aralia, Spider aralia, Threadleaf aralia, Finger aralia |
和名 | ディジゴセカ、ノコギリヤツデ、孔雀木 |
原産地 | ニューカレドニア |
学名 | Dizygotheca elegantissima |
科名 | ウコギ科 |
属名 | プレランドラ属 |
園芸分類 | 常緑小高木 |
樹高・草丈 | 自生地では8mくらいになる高い木なのですが、主に観葉植物として出回るものは幼木で1mくらいのものが多いです |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
アラレアの育て方
アラレアは、やや寒さが苦手な性質がありますが、コツさえ分かってしまえば育てやすい観葉植物です。アラレアの基本的な育て方について、以下でご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
アラレアの日当たり・置き場所
アラレアは、真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理を行う必要があります。
屋外では秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%〜50%の遮光をしてください。気温が高ければ高いほど葉焼けが起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。遮光するときは、遮光ネットや寒冷紗を使用すると良いでしょう。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均ショップでも購入することができます。
屋内の場合はなるべく日光が当たる場所に置いてください。直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てる必要があります。置き場所は室内の日光が入る場所なら問題ありませんが、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。
アラレアの水やり方法
アラレアは、気温が低くなると休眠を行うので季節や気温(室温)により、水やりのタイミングを変える必要があります。
気温が高いときは、春〜秋の生長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。一方、気温が低いときは生長が緩慢になり水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。土が完全に乾燥してから水やりを行ってください。アラレアを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げることができます。水やりの回数を減らしてアラレアの葉が落ちる場合は、水やりの回数を増やすなどの調整を行います。
また、葉水(はみず)を行うのもおすすめです。葉水は、霧吹きを使って植物の葉に直接水を吹きかけるお手入れ方法です。観葉植物や鉢植えなどの植物に対して行われることが多いです。乾燥を防ぐだけでなく、ハダニやアブラムシなどの害虫を予防する効果もあるので、毎日1回は霧吹きなどで行います。アラレアは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーかハンディモップを使って拭きとってください。
アラレアの用土・肥料
アラレアは、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があるため、出来るだけ水はけの良い土を使うのがおすすめです。また、アラレアは基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が生長が早くなるでしょう。 肥料は冬場の生長が緩慢になるときに与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春〜秋の生長期に与えるようにします。肥料の種類は、適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。 有機肥料ではなく化成肥料を使うことで、コバエの発生を予防することができるでしょう。
アラレアの夏越し
アラレアを屋外で育てる場合、猛暑日は日陰に移動してください。30%~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することができます。水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。水やりを午前中に行うと暑くなって煮えてしまうので気をつけましょう。活力剤を1000倍に希釈し、水やりの2〜3回に1度のペースで行うと夏バテを防止することができます。
アラレアの冬越し
気温が低くなったら生長が緩慢になるので、水やりを土が完全に乾燥してから行うようにしてください。霜に当たると枯れてきてしまうので、霜に当たらないように肌寒くなったら室内に入れるか温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は、火事などに注意しましょう。
アラレアのよくあるトラブルと対処法
アラレアにはいくつかのトラブルも存在します。以下では、よくあるトラブルが起きたときの対処法を説明していきます。あらかじめ対処法を知っていれば、何かあっても安心して対応することができるでしょう。
根腐れ
根腐れは土の中の酸素濃度が低下して土中の細菌叢が変化し、有機物の腐敗が進むことで有害なアンモニアが発生してしまい、土壌環境が悪くなることで発症します。また、常に土が湿っている状況では根が呼吸することができず、細胞が死んでしまいます。そのため、根から水を吸い上げることができなくなり、植物体に水を供給できなくなることで死んでしまう現象です。根腐れが起こった場合は、鉢を入れ替えて土の環境を変えてやることが大切です。傷んでしまった根は取り除き、健康な状態が取り戻せるような環境を与えてあげる必要があります。赤玉土・ゼオライトなどを用土に混ぜ込むことにより、水はけと根腐れを防止することができるでしょう。葉先がダメになっている場合は、生きている部分までカットし、新芽を出すことで回復させます。根元から腐っている場合は、無事な部分で切り取り、挿し木にして発根させて回復させます。根腐れが起こると枝が垂れ、新芽を残すために古い葉を落とす現象が見られます。重度の根腐れの場合は、新芽や枝の先から枯れることがあるので注意が必要です。
根詰まり
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになることで起きる症状です。特に、春夏の生長期で一気に伸びてしまうと起こることが多い傾向です。すぐに枯れる原因にはなりませんが、放置しておくとアラレアに悪影響となります。対処法はアラレアの植え替えをすることです。
アラレアを現在の鉢より1つ上の大きい鉢に植え替えることで、上記の症状はほとんど解消されるでしょう。植え替えを行う時期も春夏の生長期が最も適しています。
葉焼け
強い日差しを浴びすぎると葉が傷んで葉焼けが発生します。葉焼けの症状に気がついた場合、早めに置き場所を検討し直す必要があります。葉焼けが起こるということは、日光が当たりすぎている可能性が高いので、直射日光に当てないような措置を行ってください。
また、一度焼けてしまった葉は二度と元に戻ることはありませんので、傷んだ葉はカットし、新しい健康な葉が生えてくるのを待ちます。
ハダニ・カイガラムシ
ハダニは葉の裏につきやすく、吸汁された葉の部分は白い斑点状になっているのでよく確認してください。ハダニは0.5mmほどのかなり小さな虫で、体の色は黄緑色や赤色をしています。乾燥した場所を好み湿気を嫌う性質があるため、管理場所の湿度を適度な状態に保つのは、株の健康を促進させるだけではなくハダニ対策にも繋がります。こまめに葉水を行ない、葉の表面を濡れた布などで拭き取るのも効果的でしょう。
また、アラレアは葉の形が細長いため、形状的に害虫はつきにくいのですが、カイガラムシが寄生する恐れもあります。体長1~2mmととても小さなカイガラムシは、植物の幹や茎、葉などに好んで寄生します。寄生した植物から樹液を吸って食事を行うので、放置しておくと植物はどんどん弱っていきます。カイガラムシの排泄物はベタベタとしていて、葉や茎に付いたままだと「すす病」など二次被害を引き起こしてしまう可能性もあります。
病気になる前に、カイガラムシを発見したらすぐに駆除を行ってください。カイガラムシは幼虫のうちだと殺虫剤などの薬剤が効きますが、成虫にまで育ってしまうと体の表面を固い貝殻のような殻で覆ってしまうので、薬剤が浸透しにくくなります。カイガラムシの数が少ないうちに、歯ブラシなどの柔らかい毛質のものや爪楊枝などで、葉を傷つけない程度に擦り落としていきましょう。排泄物でベタベタとしている葉は濡れた布で拭き取り、清潔にしてください。
アラレアの人気の品種
市場で流通しているアラレアと呼ばれる品種は、ほとんどがプレランドラ・エレガンティシマという品種のことを指しています。アラレアの品種には他にも人気の品種が多数ありますので、以下でご紹介します。
アラレア・エレガンティッシマ・カスター
アラレア・エレガンティッシマ・カスターは、アラレア属の中でも、特に幅広い葉が美しい品種です。葉は深緑色で表面には光沢があり、葉の縁には細かいギザギザが入ります。優雅で洗練された姿は、室内のインテリアや観葉植物として庭やベランダなどでも素敵なアクセントになるでしょう。
アラレア・エレガンティッシマ・パリエガータ
アラレアには斑入りの品種も存在します。斑は白いまだら模様のことで、グリーン色の中に白やクリーム色の模様が入った品種が斑入りです。「バリエガータ」が斑入りを意味しています。華やかな葉の模様が、庭や室内のインテリアに華やかさをプラスしてくれるでしょう。
アラレアの育て方に関するよくある質問
アラレアの育て方でよくある質問をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
アラレアには毒性がある?
アラレアはウコギ科の植物であり、山菜として知られるタラの木やウドなどの仲間で毒性はありません。しかし、食用の植物ではないので、枝葉を食べて体調が悪くなったり食堂に詰まったりするかもしれません。また、サポニンと呼ばれる物質を含んでいるので、大量摂取すると下痢や嘔吐などの症状を引き起こす可能性があります。高い危険性はありませんが、小さな子やペットが口にしないように注意しておきましょう。
アラレアの風水効果は?
アラレアはギザギザした葉の形状から、古くから魔除けや厄除けの効果があるとされてきました。特に葉が悪霊や邪気を跳ね返すとされ、家や庭にアラレアを飾ることで邪気や悪霊から家族を守ると信じられています。また、アラレアには清浄なエネルギーを持つとも言われており、悪い気を浄化する力があると言われています。玄関先などに置くと悪い気の侵入を防ぐと言われているのでおすすめです。また、北東や南西の方角も良い気を運ぶと言われているため、アラレアの置き場所に良いでしょう。
まとめ
今回はアラレアの育て方やよくあるトラブルと対処法をご紹介しました。アラレアの育て方は注意点を守れば、決して難しくないことが分かっていただければ幸いです。また、よくあるトラブルを理解し、対処していけば管理しやすく比較的育てやすい植物です。人気の品種もいくつかあるので、ご自分の好みにあったアラレアを選択して育ててみることをおすすめします。