トックリランは「多くの才能」という花言葉を持ち、徳利(とっくり)のような株とポニーテールのような葉が印象的で鉢植えにしても存在感があります。観葉植物初心者でも育てやすく、お祝いなどのギフトとしても最適です。今回は、トックリランの育て方や注意したいトラブルなどについて詳しく解説したいと思います。
トックリランの基本情報
トックリランは、キジカクシ科トックリラン属の常緑小高木の一種です。「多くの才能」という花言葉があり、細い茎から白くて可愛い花を付けます。原産国はメキシコで日本には明治の中頃より広まりました。土から顔を覗かせる幹の部分がお酒を入れる徳利に似ている事から「徳利蘭(トックリラン)」と呼ばれています。
名前はトックリランですが、蘭ではありません。昔の日本では渡来した珍しい植物を欄と呼ぶ事があったようです。英語では徳利のような幹から「象の足」昔の学名から「ノリナ」と呼ばれる事も多い植物です。
トックリランの育て方
トックリランの原産地メキシコは、大きなサボテンがたくさん生えているような乾燥地帯です。そのような環境に生えている植物ですので水はけの良い土とたっぷりの日光が必要です。以下ではトックリランの育て方の詳しい説明をします。
トックリランの環境
トックリランは屋外に出し、鉢植えで育てる事が好ましいでしょう。耐暑性・耐寒性に優れている植物ですので、屋外の風通しが良い日の当たる場所に置くのがベストです。葉焼けをする場合には、日陰になる場所など遮光するように工夫してあげて下さい。冬季の霜が降りる地域では葉が傷むため、冬は屋内に入れて日の当たる窓辺に置いてあげましょう。
関東より西の暖地であれば、地植えにしても問題ありません。たくさん日を浴びればそれだけ根元部分も大きくなるため、かっこいい株になってくれるでしょう。
トックリランの水やり方法
トックリランは乾燥を好む植物のため、水やりは常に控えめが良いでしょう。水を与えすぎると茎や枝が必要以上に間延びしてしまい、枯れる原因となるため注意が必要です。
基本的に5〜9月にかけては、土が乾いたらたっぷりと受け皿に流れる位水を与えます。一方、10〜4月頃は乾ききってから数日後の水やりが好ましいです。タイミングの判別が難しい場合は水やりチェッカーの使用も視野に入れて下さい。水を与えすぎると根腐れの原因になるため、受け皿の水も必ず捨てましょう。
トックリランの肥料
肥料は与えてあげた方が生育が早く大きくなりやすいですが、基本的にはなくても問題ありません。春〜秋に緩効性の粒状肥料なら2ヶ月に1回、液体肥料なら1ヶ月に2回ほど肥料を与えると発育が良くなります。
肥料をあげるタイミングは、冬以外の生長期が好ましいでしょう。ご自身の管理しやすい方法で肥料を選んで下さい。
トックリランの剪定
トックリランは一般的な木のように枝分かれし大きく広がっていくような植物ではありません。そのため、定期的な剪定は不要ですが、状況により切っておいた方が良い葉もあります。
傷んだ葉や増えすぎた葉は、根元から切ると見た目が良くなり風通しも良くなります。葉は途中から切ってしまうと変色してしまう事があるため注意して下さい。全体が伸びすぎてしまった場合は好みの高さで幹を切ると良いでしょう。
トックリランの注意したいトラブルと対処法
トックリランは初心者でも育てやすい植物ですが、トラブルはつきものです。問題が起きてから焦るよりも、起こりやすいトラブルを先にチェックしておく事も大切です。
以下ではよくあるトックリランの注意したいトラブルと対処法をご紹介します。
根腐れ
根腐れは土壌環境が悪化する事で発症します。水をあげても元気にならなかったり、幹や根元が柔らかい時は要注意です。
鉢を入れ替え悪くなった根を切り、土の環境を整えるために植え替えが必要となります。
根詰まり
根腐れは、根が育ちすぎて植木鉢の中でいっぱいになる症状です。植木鉢の底から根が出たり、水が浸透しづらくなっている時は要注意です。
根腐れとは違い、すぐに植物が枯れてしまう事はありませんが、放置すると悪影響が出る可能性があります。春夏の生長期に合わせて一回り大きい鉢に植え替えましょう。その際、傷んだ根は取り除いて下さい。
ハダニ
ハダニは葉の裏に寄生し、斑点や傷を付けます。葉の裏に小さな虫が付いている、クモの巣のような糸が付いている場合は早めに駆除して下さい。傷んだ葉を取り除き、葉や付け根・茎などを水で洗い、殺虫剤などを噴霧しましょう。
日頃から清潔にしておけばハダニは防げるので、葉の拭き取りや霧吹きなどを怠らないよう愛情をかけて管理して下さい。
葉焼け
葉が白くなったり茶色く枯れる症状です。強い日差しや西日が当たりすぎると起こります。
屋内ではカーテンでの遮光、屋外であれば直射日光を避けた場所に移動する対処が必要です。一度葉焼けをすると元に戻る事はないため、傷んだ葉は取り除き新しい葉が生えてくるのを待ちましょう。
トックリランの人気の品種
ここまでは、トックリランの育て方について紹介しましたが、購入の際は品種が気になるでしょう。トックリランにはさまざまな品種が存在するため、それぞれで特徴なども変わります。トックリランの人気の品種をご紹介します。
ノリナ・グアテマレンシス
トックリランより大きな品種で別名「ポニーテール」とも呼ばれています。独特な見た目はインパクトがあるため、部屋に置くと存在感が引き立ちます。
名前の通りグアテマラ原産で、比較的暑さや寒さにも強く育てやすい品種です。グアテマレンシスは、近年では従来のトックリランより数多く流通していると言われています。
ノリナ・ロンギフォリア
まだ日本ではあまり流通していないレアな品種です。葉が大量に長く垂れ下がる姿が特徴的で、ポニーテールのようにカールするものもあります。
ロンギフォリアはラテン語で葉が細長く尖っているという意味で多くの植物の学名に使われています。野生では数m以上に成長するほど大きくなるため鉢植えで育てるのがおすすめです。
トックリランの育て方でよくある質問
ここまでは、トックリランの育て方について解説しました。ここからは、トックリランの育て方でよくある質問と回答をご紹介します。トックリランに関する疑問を持っている方の参考になれば幸いです。
トックリランの風水効果は?
トックリランの丸い株は「子宝運」や「金運」の効果があり、葉は「魔除け」や「邪気払い」の効果が期待されています。大きく膨らんだ丸い株は金貨や財布を想像させ、尖った葉は悪い気を出すと言われています。
子宝運を高めるなら北、金運を高めるなら北東に置くのが良いでしょう。魔除けや邪気祓いの効果を期待するなら、気の出入りする玄関に置くのがおすすめです。
トックリランは気を沈めるリラックス効果があるため、寝室や仕事部屋などに置くと心が落ち着くでしょう。
トックリランを大きくするには?
トックリランはなるべく日の当たる暖かい場所で育てる事が重要です。日中の日差しも良いですが、西日が当たるような場所は避けて下さい。
また、乾燥地帯に生息している植物のため、水のやりすぎも厳禁です。水を控える方が根元が大きく立派な株に育つ傾向にあります。鉢で育てる際は、適切な植え替えを行う事も重要です。
まとめ
トックリランは乾燥と日光を好みます。水も少なめで良いため、観葉植物初心者の方も育てやすい植物です。
置き場所を考え、適切な水やり・植え替えを行い、屋内に置く際は清潔に保つなど日々のお手入れで癒やしのパートナーになる事でしょう。「子宝運」「金運」など風水効果もあるため、大切に育てれば良い気に恵まれるかもしれません。